先月8日に発生した安倍晋三元首相に対する銃撃事件。北朝鮮の国営メディアは、今に至るまで事件について一切触れていない。 事件のことは、一部の幹部にだけ伝えられた。また、国家保衛省(秘密警察)は各地方の保衛局に事件のことを伝え、革命の首脳部(金正恩総書記)の安全保障事業に総力を傾けよとの指示を出している。 泳がせて監視 一方で、一般住民の間にも、少しずつ事件のことは伝わりつつあるようだが、このことを人に話したとして、ひとりの女性が逮捕された。容疑は流言飛語(デマ)を流したというも ...

北朝鮮の金正恩総書記の妹、金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党副部長は、10日に開かれた全国非常防疫総括会議で、国内に新型コロナウイルスが流入したのは、韓国から脱北者が送り込んだビラなどが汚染されていたことによるものとして、韓国に対する報復を示唆する内容の発言を行った。 この様子は、国営メディアを通じて報じられたが、その内容に、北朝鮮国民からは不満の声が上がっている。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えた。 「威厳がない」 平安北道(ピョンアンブクト)の情報筋は、1 ...

韓国の首都・ソウルでは8日、1時間降水量381.5ミリを記録するゲリラ豪雨が降り、各地で浸水が相次いだ。死者・行方不明者は16人を数え、1万台を超える車が浸水するなど、甚大な被害が発生した。 ソウルほどではないものの、軍事境界線のすぐ南側にある各観測所でも、1日100ミリを超える大雨を観測した。また北朝鮮の朝鮮労働党機関紙・労働新聞は、11日から16日まで、多いところで300ミリから400ミリの雨が降るとして、警戒を呼びかけた。 その一方で、先月には高温注意報が発令されるなど ...

北朝鮮当局が、性売買行為の集中取り締まりを行っていると、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が今月2日付で報じている。 咸鏡北道(ハムギョンブクト)の清津(チョンジン)に住む情報筋はRFAに対し、「最近、全国的に増加している性売買行為を根絶するための中央の指示が下された。これを受け、市安全部(警察)と青年同盟が合同作戦を開始し、若者に対する思想教育と、性売買行為に対する集中取り締まりを行っている」と明らかにした。 情報筋はまた、「今回の取り締まりは、平壌の某中央機関の幹 ...

韓国の文在寅前政権が2019年に亡命を求めた脱北漁民2人を板門店から北朝鮮に強制送還した事件を巡り、板門店を管轄する国連軍は当時、同政権によって「騙された」とする証言が出た。 国連軍の司令官は米韓連合軍司令官を兼務するアメリカ軍人であり、米軍と「ほぼ一体」と言っても言い過ぎではなかろう。 板門店から脱北者を送還するには、国連軍の承認が必要だ。2019年当時、国連軍が強制送還を承認していたかどうかは、ことの本質を知る上で重要な要素と言える。 司令部に虚偽申請 文在寅政権は当時、 ...

北朝鮮の平壌市安全局(警視庁)が最近、大規模な組織売春グループを摘発した事件についてはすでに本欄で述べた。40代男性のA氏をトップとするグループは、平壌郊外の平城(ピョンソン)、全国第2の都市である咸興(ハムン)、中朝国境の新義州(シニジュ)、リゾート地でもある元山(ウォンサン)、そして工業都市の沙里院(サリウォン)に拠点を置き、デリヘル業を営んでいた。 客は朝鮮労働党や安全局、保衛局(秘密警察)、検察所など主要機関の高位幹部やトンジュ(金主、新興富裕層)で、女性を客の自宅な ...

文在寅前政権が2019年に亡命を求めた脱北漁民2人を北朝鮮に強制送還した事件を巡り、韓国統一省は12日に送還時の様子を収めた写真10枚を、18日には4分ほどのビデオ映像を相次いで公開した(次ページにも写真)。 写真を見ると、ひとりの男性は全力で抵抗し、もうひとりの男性はすべて諦めたような雰囲気を漂わせている。どちらも、きわめて残酷な場面と言える。 同省報道官は11日のブリーフィングで、「(2人は)憲法上は大韓民国の国民であり、北朝鮮に引き渡した場合に受けるであろう様々な被害を ...

金正恩総書記が去年3月に打ち出したメガプロジェクトのひとつ、郊外の寺洞(サドン)区域の松新(ソンシン)・松花(ソンファ)地区を再開発する「平壌市1万世帯住宅」計画。工事が終わり、1万世帯の住宅が完成したと、国営の朝鮮中央通信が今年4月に報じている。 ところが、完成したばかりの住宅が欠陥住宅であったのは、本欄でも既報のとおりだ。平壌のデイリーNK内部情報筋によれば、地区の「目玉」である80階建てのタワマンで、先日の大雨と強風で、窓枠から雨漏りする家や、天井裏が水浸しになる家が続 ...

梅雨前線の北上に伴い、朝鮮半島では大雨が降り続いている。防災インフラの脆弱な北朝鮮では、各地で被害が続出している。 そんな中、被害復旧を担当する軍部隊の幹部が解任された。デイリーNKの朝鮮人民軍(北朝鮮軍)内部の情報筋が伝えた。 解任されたのは、金正恩総書記の警備にあたる護衛局傘下の115建設旅団の旅団長と政治委員だ。軍保衛局は、本部党政治委員会で、大雨と洪水の被害復旧の任務をまともに遂行できなかったとして、2人の解任を決めた。この115建設旅団とは、金正恩氏が使う1号道路、 ...

最近、北朝鮮の主要都市で餓死者が発生するなど、北朝鮮の食料状況がかなり深刻な様相を呈している。コロナ鎖国により中国から食糧が輸入されないものはもちろん、肥料が入ってこなくなり、農業にも深刻なダメージが出ている。 今年1月中旬から北朝鮮と中国を結ぶ貨物列車の運行は再開されたものの、それを通じて入ってくる食糧は主に特権層への配給用で、一般庶民の口には入らない。 そんな中、韓国デイリーNKは今月初め、3人の北朝鮮国民とのインタビューに成功した。咸鏡北道(ハムギョンブクト)会寧(フェ ...

北朝鮮当局が故金日成主席の生誕記念日である太陽節(4月15日)を前に、凶悪犯罪を防ぐため「犯罪前科者」「ヤクザ者」に対する取り締まりを強化するための指示を下したと米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が現地情報筋の話として伝えた。 咸鏡南道のある行政幹部はRFAに対し、「今月初めに党及び行政、司法機関幹部会議が行われた」とし、「会議では太陽の節を迎え、犯罪前科者と無職ヤクザ者に対する取り締まり統制を強化するための当局の指示が伝えられた」と述べている。 「その場で処刑せよ」 ...

韓国の民放テレビ、SBSで昨年末まで4年にわたって放送された「ペク・チョンウォンの路地裏食堂」。廃業寸前の食堂を再生させるというバラエティ番組だ。 司会を務める料理研究家ペク・チョンウォン氏の名声は、北朝鮮まで広がり、彼の作ったレシピは、平壌の上流階級の食卓を飾っている。 政治的に問題になるような内容は一切含まれていないこの番組だが、それを見ていた高級幹部の令嬢が処刑される事件が起きたと、平安南道(ピョンアンナムド)のデイリーNK内部情報筋が伝えた。 お嬢様の「特別な時間」 ...

北朝鮮で強化されている、中国キャリアの携帯電話の所持、使用に対する取り締まり。運悪く取り締まりに引っかかってしまった女性が、取調べ中の残虐行為により死亡したと、咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNK内部情報筋が伝えた。 事件の概要は次のようなものだ。 咸鏡北道保衛局(秘密警察)は先月10日、中国キャリアの携帯電話を使っていたようで、30代女性のキムさんを逮捕し、スパイ容疑者を勾留する拘禁所にぶち込んだ。公開処刑や政治犯収容所の運営を担う保衛当局は、金正恩体制の恐怖政治を支 ...

かつて、金正恩総書記の祖父・金日成主席と抗日パルチザン活動を行っていた人とその子孫は、北朝鮮の身分制度において最上位に位置し、様々な優遇を受けることから「赤い貴族」とも呼ばれている。 法による公正が実現されているとは言い難い北朝鮮社会で、こうした特権階級に傍若無人な振る舞いが見られるのは言うまでもない。 例えば、金日成氏の護衛を担当する護衛総局の局長を務めた呉白龍(オ・ベクリョン)氏を父に持つある軍人は、若い女性看護兵を自分専用の軍医に仕立てた上で、5年にも渡って性上納を強要 ...

北朝鮮で、大学教授や大学当局、大学の朝鮮労働党委員会幹部など「学内の権力」によって学生らの人権が蹂躙される事件が後を絶たない。 昨年4月には、黄海北道(ファンヘブクト)にある沙里院(サリウォン)工業大学で、党書記の地位にあった50代の男性が、40人もの女子学生に権力型性犯罪を働いていたことが暴露された。 公開処刑も また前年には、首都・平壌の総合レジャー施設で組織的な売春を行っていたグループが摘発され、一味に平壌音楽舞踊大学や平壌演劇映画大学の教授らが加担していたことがわかっ ...

2016年、ロシアのハバロフスクで、ひとりの北朝鮮労働者が現場から逃げ出す事件が発生した。この労働者は発見され、監視役として派遣されていた保衛部員(秘密警察)に連行され、見せしめのためひどい暴行を受けた。 監視役は労働者が再び逃げられないようにアキレス腱を切ったり、掘削機で足を叩き潰したりするなど、非道の限りを尽くしたと伝えられている。 (参考記事:アキレス腱切断、掘削機で足を潰す…北朝鮮労働者に加えられる残虐行為 ) それから5年経ったが、実例の報告はないものの、同様の「指 ...