国連安全保障理事会の制裁決議は、国連加盟国に対し、自国に派遣された北朝鮮労働者を今年末までに送還することを義務付けている。 大口派遣先の中国には、北朝鮮レストランの美人ウェイトレスや各種工場の労働者ら、最大で8万人の北朝鮮労働者が派遣されていたとされる。 (参考記事:美貌の北朝鮮ウェイトレス、ネットで人気爆発) 制裁決議が出た後も、北朝鮮労働者に比較的甘い態度を取り続けてきた中国だが、最近では本気で追い出しにかかっている模様だ。 北朝鮮事情に精通したデイリーNKの情報筋は、先 ...

1961年から1989年までベルリンを東西に分断していたベルリンの壁。社会主義体制を嫌い西ドイツに逃げようとする人を食い止めるべく建設されたが、完成後も壁を越えて西ベルリンに逃げようとする人は依然として存在した。 壁を越えようとした5000人のうち、国境警備隊に撃たれて亡くなった人の数は、確認されただけでも140人。実際はその何倍とも言われている。ドイツ統一後、責任者や命令に従って発砲した兵士の一部は起訴され、有罪判決を受けた。 それから30年。北朝鮮では未だにベルリンの壁と ...

北朝鮮当局が、覚せい剤など違法薬物の取り締まりをいっそう強化しているもようだ。 本欄でもすでに言及したが、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)によれば、北朝鮮当局は違法薬物の取り締まりのためとして、列車で移動する人々に対し異例に厳しい検査体制を敷いているという。 (参考記事:一家全員、女子中学校までが…北朝鮮の薬物汚染「町内会の前にキメる主婦」) RFAの咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋は、「荷物を検査しても何も出てこないのを見ると、保安員(警察官)たちは着ている服 ...

北朝鮮の金正恩党委員長は2日、李雪主(リ・ソルチュ)夫人らとともに、軍人家族芸術サークル公演を鑑賞した。これを伝えた朝鮮中央通信の3日付の記事は、同行者の中に、革命化(再教育)のため強制労役に服しているとの説があった金英哲(キム・ヨンチョル)朝鮮労働党副委員長が含まれていることを明らかにした。 韓国紙・朝鮮日報は5月31日、対米交渉を統括していた金英哲氏がハノイでの米朝首脳会談(2月)が決裂した責任を問われ「解任後、強制労役と思想教育を受けている」と報じていたが、同氏が健在で ...

北朝鮮北部の咸鏡北道(ハムギョンブクト)にある全巨里(チョンゴリ)教化所(刑務所)は、北朝鮮の拘禁施設の中でも虐待の横行に関する情報が広く知られている所だ。特に、中朝国境地帯と近いことから、脱北を試みて逮捕された人が多く収容されている。近年では女性の収容施設が拡張されており、口では説明できないような虐待が行われている。 この施設の中では相変わらず、虐待による犠牲者が続出しているもようだ。 咸鏡北道の情報筋は1日、デイリーNKの電話取材に対し、「教化所の受刑者の日程は、日中は伐 ...

韓国紙・朝鮮日報(日本語版)は29日、「軽空母、ステルス戦闘機…急速に進む日本の軍事大国化」と題した記事を掲載した。 同紙は「日本は既に軍事大国として評価されている。太平洋戦争時に空母を保有していたため、伝統的に海軍力が強い。日本は、長期的にはDDH4隻を全て軽空母に改造する計画だ」と指摘。また、「日本は、今後10年以内にF35戦闘機を計147機(F35Aが105機、F35Bが42機)運用するという立場だ。米国を除くと、世界で最も多くのF35ステルス戦闘機を保有することになる ...

「絶糧世帯」。前年の収穫が底をつき、食べ物がなくなった世帯を指す北朝鮮の用語だ。例年なら、5月末や6月初めにかけての「春窮期」の後に発生する現象だが、今年は4月に入ってから現れている。北朝鮮の国民生活の深刻さを表していると言えよう。 ただ、こうした状況がイコール「食糧危機」を意味しているかと言えば、この点については留保が必要だ。北朝鮮では配給制度の崩壊となし崩し的な市場経済化により、貧富の格差が拡大。その日の糧を「市場で買うための現金収入」に窮し、売春や出稼ぎ(脱北)に頼らざ ...

今月21日、北朝鮮の鉱山でダンプトラックが坂道を逆走する事故が起きた。複数の労働者が巻き込まれて重傷を負ったが、適切な治療が受けられずにいる。現地のデイリーNK内部情報筋によると、事故が起きたのは、咸鏡南道(ハムギョンナムド)端川(タンチョン)市にある北朝鮮最大の亜鉛の産地、検徳(コムドク)鉱山だ。 坂の上に停められていたダンプトラックがブひとりでに逆走を始め、夜間作業を終えたばかりの鉱山労働者の列に突っ込んだ。きちんとブレーキがかけられておらず、車止めをかませていなかったの ...

1980年代以前の北朝鮮は、非常に犯罪の少ない国だったと言われている。勤め先でもらえる月給が少ない代わりに、住宅から食料品に至るまでほとんどのものを国が無料、または安価に配給し、「貧しくとも生きていける皆が平等」な国だったからだ。もちろん、特権層は存在したのだが。 ところが、1990年代後半の未曾有の食糧危機「苦難の行軍」に前後して配給システムが崩壊し、餓死者が続出した。生きるために市場で商売する者もいれば、犯罪に走る者もいた。極度に悪化した治安対策として金正日総書記は「犯罪 ...

北朝鮮では、軍内部での女性に対する性暴力が後を絶たない。金正恩党委員長も軍における性暴力の根絶を指示しているが、状況が改善する気配はない。そんな中、軍では被害に遭った女性兵士の脱走が相次いでいるとされる。 平安南道(ピョンアンナムド)のデイリーNK内部情報筋は、3ヶ月ほど前に道内の平原(ピョンウォン)に駐屯する教導旅団から3人の女性兵士が脱走したが、最近になって逮捕されたと伝えた。 (参考記事:ひとりで女性兵士30人を暴行した北朝鮮軍の中隊長) 連行され取り調べを受けた3人は ...

米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、中国の公安当局は今月の初め頃、中朝国境地帯にある長白朝鮮族自治県で北朝鮮の覚せい剤密輸組織を一網打尽にした。そして公安当局の調査により、密輸組織メンバーが北朝鮮の国家保衛省の要員たちであったことが明らかとなり、両国間に緊張が走っているという。 国家保衛省は、拷問や公開処刑などを行いながら、金正恩党委員長の恐怖政治を支える秘密警察である。 (参考記事:北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは…) 金正恩氏の「親衛隊」とも ...

米政府系のボイス・オブ・アメリカ(VOA)によると、米下院歳出委員会は20日までに公表した2020年度の予算案で、北朝鮮により不当に抑留された自国民の関連費用を、米政府が支出できないよう措置を講じたという。 これは、北朝鮮がスパイ容疑で抑留した米国の大学生、オットー・ワームビアさんを2017年に昏睡状態のまま釈放した際、米政府に200万ドルの医療費支払を要求したことに端を発したものだ。 ワームビアさんは帰国後に間もなく死亡。米ワシントンDCの連邦地方裁判所は昨年12月24日、 ...

国際社会の制裁で苦境に立たされている北朝鮮だが、国を挙げてのメガプロジェクトは進められている。その代表格が三池淵(サムジヨン)郡の再開発と元山葛麻(ウォンサンカルマ)海岸観光地区だ。 その工事を支えているのは、朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の建設部隊と、各地の工場や企業所、国の機関から動員されたタダ働き部隊である「突撃隊」だ。ところが、動員に応じようとしない人が増えつつある。タダ働きであるうえ、続発する事故で命の危険まであるのだから当然だろう。 (参考記事:「手足が散乱」の修羅場で金 ...

中国発祥の新興宗教「法輪功」は一時は人気を集めたが、中国政府は1999年、邪教であるとし活動を禁止、厳しい弾圧を行っている。その後も、豊富な資金と組織で中国以外の全世界で布教活動を行っており、最近になって北朝鮮の首都・平壌でも急激に広がりつつある。 北朝鮮では実質的に、宗教活動は禁止されている。当局は最近になって公開処刑も再開しており、今後、どのような強硬手段に出るか心配だ。 (参考記事:美女2人は「ある物」を盗み銃殺された…北朝鮮が公開処刑を再開) 米政府系のラジオ・フリー ...

北朝鮮の内閣などの機関紙・民主朝鮮は21日、日本の安倍政権が進める憲法改正の動きを非難する論評を掲載した。 論評は、「安倍政権が内外の強い抗議と糾弾にもかかわらず、憲法第9条を改正するためにそれほどやっきになっているのは憲法第9条が自分らの軍国主義復活、海外侵略野望の実現を妨げる障害物になっているからだ」と指摘。続けて「日本の軍国主義復活と再侵略は、時間の問題である」と主張した。 北朝鮮メディアは最近、この調子で対日非難を強めている。金正恩党委員長はメディア戦略で独自色を打ち ...

脱北して中国に逃げ込んだ多くの北朝鮮人女性が、強制売春や結婚などの人身売買の被害に遭っていることは、本欄でも繰り返し言及してきた。そしてこのほど、その実態を探った調査報告書が、新たに発表された。 米政府系のボイス・オブ・アメリカ(VOA)などによると、英国のNGO、コリア・フューチャー・イニシアティブは20日、中国国内の脱北女性に関する実態調査をまとめた報告書を英国下院に提出したという。 そこに収められた被害者の証言は、残酷の一語に尽きる。たとえばある女性は、次のように語って ...