台風の現場で労働者を殺した「金正恩命令」の矛盾点
北朝鮮当局が進めている元山(ウォンサン)―咸興(ハムン)高速道路の建設現場で多くの人命被害が発生していと、韓国のリバティ・コリア・ポスト(LKP)が伝えた。建設現場には刑犯罪者が送られる「労働鍛練隊」の受刑者が大量に動員されており、今年7~9月の3カ月だけで31人が犠牲になったという。 LKPに情報提供した北朝鮮国内の消息筋は「この数字は高速道路建設に動員された労働鍛練隊だけのもので、軍や道の都市建設事業所から動員された人々の犠牲者数も加えると、はるかに多い」と語っている。 ...
衰弱・文在寅政権に金正恩氏が見舞う「トドメ」の一撃
北朝鮮・平壌の金日成競技場で15日午後5時半から、2022年サッカーワールドカップ(W杯)カタール大会アジア2次予選の北朝鮮―韓国戦が行われる。韓国のサッカー男子代表の平壌遠征は1990年⑩月の親善試合以来、29年ぶりとなる。 しかし、サッカー韓国代表戦の名物とも言える熱狂的な応援団「レッド・デビル」の北朝鮮訪問は認められず、韓国へのテレビ中継も行われない。 大韓サッカー協会はアジアサッカー連盟(AFC)を通じて、記者団と応援団の派遣、テレビ中継を認めるよう要請した。しかし、 ...
脱北費用の高騰で大儲けする、北朝鮮の「悪いヤツら」
「最近、中国を通じて韓国に行く方法を尋ねる人が増えた」(デイリーNK内部情報筋、今年7月) 近年、脱北して韓国入りする人の数は減る傾向にある。韓国統一省の集計によると、今年1月から6月までに韓国に入国した脱北者は546人。昨年同期(487人)とほぼ同水準だが、以前と比べるとかなり減っている。国境警備の強化、ブローカーの摘発などが影響しているものと思われる。 ところがここに来て、脱北を考える人が再び増えているという。直接の理由は、国際社会の制裁による経済の苦境だ。また、脱北の傾 ...
女性芸能人の「公開処刑」見学を強制…金正恩氏の消せない過去
10月10日の世界死刑廃止デーに際し、各国の人権団体が北朝鮮当局による人権侵害に対し非難の声を上げたと、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えている。 RFAによれば、アムネスティ・インターナショナルの死刑制度の専門家であるキアラ・サンジョルジオ氏は、次のようにコメントしている。 「北朝鮮では、明白な証拠や弁護人もなしに死刑が速やかに宣告されているとの脱北者証言と、関連資料があります。それだけでなく、時には北朝鮮の国内法上も死刑に当たらない軽微な事案においても公開処 ...
金正日をズタズタに…北朝鮮「消えた一家」の危険なウワサ
北朝鮮の咸鏡北道(ハムギョンブクト)清津(チョンジン)で、夫婦と子ども2人の家族4人が忽然と姿を消す事件が起きた。その後も行方知らずの状態が続いているが、町ではこの家族がなぜ消えたのかについて「ある噂」が立っていると、現地のデイリーNK内部情報筋が伝えた。 家族の夫は、羅南(ラナム)陶磁器工場に運転手として籍を置きながら、実際は出勤せずにガソリン販売で生計を立てていた。無断欠勤は有罪だが、上役にワイロまたは罰金を支払うことで堂々と欠勤できるという「制度」を利用したものだ。そこ ...
金正恩氏は「喜び組アンダーウェア」、富裕層はブランドバッグ…制裁下の北朝鮮
「本当の金持ちはシャネルを好む。(金正恩党委員長夫人の)李雪主(リ・ソルチュ)氏もシャネルが大好き。私の妻はバッグ、化粧品はもちろん、パジャマまでシャネルだ。もちろん偽物ではない。触ってみればすぐにわかる(中略)平壌には存在しないブランド品はほとんどないが、意外なことに『ルイ・ヴィトン』は少ない。偽物なら多いが」 チュ・ソンハ著『平壌資本主義百科全書』より。 人名が出ていなければ、一体どこの国の話かわからないが、これは紛れもない北朝鮮での話だ。 国際社会の制裁で深刻な不況に苦 ...
竹島問題を巡る韓国・北朝鮮の「自爆行為」と日本の自制心
北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)は8日、日本が「わが民族の領土である独島(竹島)を自国の領土であると強弁を張っている」と非難する論評を配信した。 北朝鮮メディアは何かある度に同じような論評を出しているのだが、今回は日本の2019年版防衛白書に反発する内容だ。そこには、次のような記述がある。 「看過できないことは、今年の防衛白書に独島上空で武力衝突が発生する場合、航空『自衛隊』戦闘機のスクランブルがありうるという文言を初めて明記したことである。(中略) 独島上空への『自衛隊 ...
韓国イージス艦、北朝鮮のミサイル探知失敗…11回中の5回で
韓国海軍イージス駆逐艦が今年、北朝鮮が実施した11回のミサイル発射のうち、5回について探知できていなかったことが分かった。野党・自由韓国党のチョン・ジョンソプ議員は10日に行われた海軍本部の国政監査で「イージス艦が、5月4日と9日、7月25日、8月2日、9月10日に発射された北朝鮮のミサイルを正確に探知できなかった」と指摘した。 これに対して海軍側は、5月4日と7月25日には、合同参謀本部から事前の出動命令が出ておらず、5月9日にはミサイルがイージス艦の探知可能範囲から脱して ...
金正日命令で「健康な人も廃人に」北朝鮮刑務所の実態
世界最悪の人権国家と言われる北朝鮮。その中でも、さらに著しい人権侵害が起きているのは、管理所と呼ばれる政治犯収容所、次いで教化所と呼ばれる刑務所だ。 韓国などに住む脱北者の多くは、教化所などに収監された経験を持ち、国際社会でその酷さを訴えている。それが多少の効果があったのか、最近ではわずかばかり改善されたとの話もあるが、想像を絶する状況であることに変わりはない。 (参考記事:K-POPを歌ったら飢え死に…北朝鮮刑務所の知られざる実態) 米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA ...
「北の潜水艦探知で致命的」韓国のGSOMIA破棄に米国から懸念
韓国政府の「終了(破棄)」決定により、日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)が11月22日に失効する流れとなっていることに対し、米国の専門家からなおも懸念の声が上がり続けている。 特に、北朝鮮が新型の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の試射を行ったことで、対潜水艦作戦におけるGSOMIAの重要性が指摘されている。 「韓国の主張ではダメ」 米政府系のボイス・オブ・アメリカ(VOA)は9日、「GSOMIAの終了は、(対潜水艦)作戦の側面で、米韓日の3国すべてに致命的なダメージ ...
北朝鮮が「男女の不倫関係」を摘発…あるジャガイモ農場での出来事
北朝鮮当局は昨年初めから、非社会主義的行為の取り締まり――要するに風紀取り締まりに力を入れているが、その対象は男女の不倫関係にも及んでいる。 最近、取り締まりの舞台となったのは、北朝鮮の北部山間地にある両江道(リャンガンド)の白岩(ペガム)郡だ。平均海抜は1550メートルで朝鮮半島全体で最も高く、冬は極寒の地だ。農耕に適しておらず、住民は長らく極貧生活を強いられていた。 そんな地を大きく変えたのは、金正日総書記が提唱した「ジャガイモ革命」だ。ジャガイモの一大産地となった両江道 ...
「言動を違えれば排斥されて当然」北朝鮮、文在寅氏を説教
北朝鮮の対韓国宣伝サイトである「ウリミンジョクキリ(わが民族同士)」は8日、2本の論評で韓国の文在寅大統領を事実上「名指し」して非難した。 まず、「言動を違えれば排斥されて当然」という説教調のタイトルの論評は次のように述べ、文在寅氏の国連演説を槍玉にあげた。 米国から「大目玉」 「南朝鮮当局が国際舞台で『非武装地帯の国際平和地帯』を云々したのは、米国との北侵戦争演習と侵略兵器購入策動で朝鮮半島の平和を蹂躙してきた犯罪的正体を隠し、民族分裂の悲劇的産物である軍事境界線の非武装地 ...
金正恩氏が「処刑した叔父」を懐かしむ声が聞こえてきた
張成沢(チャン・ソンテク)。金正日総書記の妹、金敬姫(キム・ギョンヒ)氏の夫で、かつては絶大な権力を誇っていた。ところが2013年12月、金正恩党委員長により処刑された。 彼氏の粛清に際しては、愛人の元トップ女優をはじめ、一説に1万人もの人々が連座させられた。 (参考記事:【写真】女優 キム・ヘギョン――その非業の生涯) それから6年。平壌の高位幹部の間ではこんな話が漏れ聞こえてくるという。 「張成沢がいた頃は、カネをバラマキながら事業を進める者が多かったのに」 「張成沢が経 ...
「公開処刑」でも止められない北朝鮮国民の占い中毒
北朝鮮の刑法には、こんな条項がある。 第256条(迷信行為罪) 金または物を受け取って迷信行為をした者は、1年以下の労働鍛錬刑に処す。前項の罪状が重い場合には、3年以下の労働強化刑に処す。 この「迷信」とは占いのことを指す。さらに、刑法附則11条は、罪状が非常に重い者、全く悔悛してしない者に対しては、無期労働刑(無期懲役刑)か死刑を適用できると定めている。占いをしたからという理由だけで死刑になりうるということだ。終末論を流し人心を惑わせるなど、占い師は北朝鮮の体制を脅かす要素 ...
福島への態度と矛盾…韓国政府「被ばく調査結果」隠ぺいの疑い
韓国政府が、脱北者の放射線被ばくを隠していたのではないか、との疑いが浮上している。 韓国紙・朝鮮日報が2日付で伝えたところでは、韓国統一省が昨年9月、北朝鮮の核実験場がある咸鏡北道(ハムギョンブクト)の豊渓里(プンゲリ)周辺出身の脱北者10人を対象に被ばく線量の調査を行ったところ、5人の被ばくの痕跡が「染色体異常」の判断基準に当たる250ミリシーベルトを上回ったという。中でも48歳の女性は、「発がん確率の急上昇」に該当する1386ミリシーベルトという結果が出たという。 この結 ...
北朝鮮軍「モラル崩壊」でドロボー軍隊化が止まらない
全世界で最も長いと言われている北朝鮮の兵役。その期間は10年にも及ぶ。それだけあって、兵士の数も桁外れに多い。米国務省の報告書によると、朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の2006年から2016年までの年平均の兵員数は116万人で、総人口(2500万人)に占める兵士の割合も4.8%と世界で最も高い。 そして毎年、数多くの兵士が兵役を終えて民間に戻っていくが、北朝鮮当局はこれと言った手当を支給していない。それが、民間人に大きな被害をもたらす結果を生んでいることを、 咸鏡北道(ハムギョンブク ...
