先月20日と24日、北朝鮮・両江道(リャンガンド)の三池淵(サムジヨン)で、脱北して中国に暮らしていた女性3人が北朝鮮に再密入国しようとして逮捕される事件が起きた。が、うち1人は中国で新型コロナウイルスの陽性判定を受けていたことが判明した。 また、事件との関係は不明だが、事件後の先月27日から三池淵と道庁所在地の恵山(ヘサン)が完全封鎖状態に入ったと伝えられている。 (参考記事:「死ぬなら故郷で」…北朝鮮「中国で陽性判定」の女性を銃殺か) 相次ぐ密入国事件に当局は国境警備をさ ...

AFP通信は11日、「ウォーターゲート事件」の特ダネ記者、ボブ・ウッドワード氏の新刊『RAGE(怒り)』の内容を入手して報じた記事で、トランプ米大統領が「(北朝鮮の金正恩党委員長は)私にすべてを話した」として、張成沢(チャン・ソンテク)元朝鮮労働党行政部長の処刑に言及したと伝えた。 張成沢氏は金正恩氏の叔父だが、2013年12月に国家転覆陰謀罪により処刑された。 同書は、ウッドワード氏がトランプ氏と18回会ってインタビューした内容を基に書かれているという。それによると、トラン ...

暴風軍団。朝鮮人民軍第11軍団としても知られる山岳戦、夜戦、後方撹乱などに長けた北朝鮮の特殊部隊だ。 先月、咸鏡北道(ハムギョンブクト)や両江道(リャンガンド)の国境地帯に派遣されたが、新型コロナウイルス対策としての国境警備の強化、国境警備隊の勤務状態の監視などが目的と見られている。そんな暴風軍団のある兵士が、犯罪目的で一時的に脱北する事件が起きた。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。 (参考記事:北朝鮮、中朝国境に「特殊部隊」3000人投入…破壊・かく乱工作 ...

国家が最も重要視するものは何か。国によって異なるだろうが、戦前の日本では「国体護持」であり、国民の生命と財産への重大な損害が明らかな本土決戦すら敢行しようとしていた。一方、2020年の北朝鮮で、最も重要視されるのは首領(最高指導者)とそれを戴く国家体制の維持で、国民の安寧など二の次、三の次だ。 金正恩氏の安全のために国のあらゆる組織が動き、時には国民の命すら奪う。昨年10月に金正恩氏が両江道(リャンガンド)の三池淵(サムジヨン)の再開発工事現場を訪れた際、その移動経路が事前に ...

類例のない人権侵害が行われていると疑われている、悪名高き北朝鮮の管理所(政治犯収容所)。収監されている女性たちはいかなる状況に置かれているのだろうか。 最近のデイリーNKの内部情報筋の証言を総合すると、年を追うごとに収容所内における49号患者(精神疾患患者)が急増している。これは、女性たちが肉体的、精神的苦痛に直面することが増え、人権侵害がよりひどくなっていることを示す。 先月中旬に集計された政治犯収容所収監者に関する総合管理総和では、国家保衛省(秘密警察)が管理する収容所の ...

北朝鮮の北部国境地帯で、新型コロナウイルス対策の落ち度を指摘された複数の軍人らが、公開処刑により「大虐殺された」と韓国紙・東亜日報記者のチュ・ソンハ氏が自身のブログとユーチューブ・チャンネルで伝えている。 チュ氏によれば、事件は8月、咸鏡北道(ハムギョンブクト)の穏城(オンソン)郡で起きた。国境の川を渡って中国へ脱北した地域住民が、再び故郷に戻り逮捕された。金正恩党委員長は、新型コロナの流入を防ぐために国境を徹底的に封鎖するよう厳命しているが、それが出来ていないことが発覚して ...

北朝鮮の地方都市で14歳から15歳の少年ら30人が逮捕され、全員に労働教科刑(懲役刑)判決が下される事件があったと、韓国紙・東亜日報記者のチュ・ソンハ氏が自信のブログとユーチューブ・チャンネルで伝えている。 脱北者出身のチュ氏が独自のルートで入手したとする情報によると、少年らは韓流ドラマ「妻の誘惑」のビデオを隠れて視聴していたことがバレたのだという。 韓国で2009年に放送されたこのドラマは、最高視聴率40.6%を記録。日本でもBS朝日が放送したので、見たことのある読者も少な ...

日本では、憲法第76条が「特別裁判所は、これを設置することができない」と定めているため、すべての人が等しく同じ法のもとで裁かれる。一方で戦前には、軍人の犯罪を裁く軍法会議や、軍人だけに適用される法律が存在していた。現在でも、米国、英国、韓国など、軍事司法権だけ独立させた制度を取っている国があ、北朝鮮もそのひとつだ。 犯罪を犯した朝鮮人民軍の軍人を裁く軍事裁判所は、憲法161条により中央裁判所(最高裁)の監督と指導を受けることになっているが、実質的には一般的な司法からは独立して ...

北朝鮮の朝鮮労働党が最近、司法・公安機関を統括する「組織行政部」を党中央委員会に新設し、金才龍(キム・ジェリョン)前内閣総理を部長に任命したとの情報が出ている。 金才龍氏は8月13日の党中央委員会第7期第16回政治局会議で内閣総理を解任されると同時に、党副委員長と党中央委の部長に就任したが、担当部署は明らかにされていない。 一方、韓国紙・朝鮮日報は8月21日、対北消息筋の情報として、北朝鮮が「司法・検察・保衛(秘密警察)・安全(警察)関連組織を担当する組織行政部を労働党中央委 ...

しつこく居座る梅雨前線による長雨で、各地で甚大な被害が発生した北朝鮮。被災地の一つ、黄海北道(ファンヘプクト)銀波(ウンパ)郡には、全国から大量の人員が投入され、復旧作業が進められている。 現在、住宅の再建事業が行われているが、地方政府の予算不足で民間の投資を頼らざるを得ない状況となっている。しかし、問題はそれだけではない。工事に動員された朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の兵士が、家や財産を失った被災者をさらに苦しめているというのだ。 (参考記事:水害被害の北朝鮮、住宅再建も「個人投資 ...

北朝鮮はかつて、犯罪の少ない国と言われていた。一部の特権層を除き、皆が平等に貧しいものの、完備された配給システムで食糧や生活必需品を得られるという社会体制のおかげだと言われている。 ところが、配給システムが崩壊、食糧難が頂点に達した1990年代後半には犯罪が多発した。平壌郊外の新興住宅地では、殺人、自殺、餓死かは不明だが、毎日のように遺体が発見され、中にはバラバラにされたものもあったという。 (参考記事:毎日のように死体が遺棄される平壌の統一通り、バラバラ遺体も) 食糧難が深 ...

北朝鮮は今年7月24日、「悪性ウイルスに感染されたと疑われる越南逃走者(元脱北者)が3年ぶりに不法に分界線を越えて去る7月19日、帰郷する非常事件が発生した」として、開城市を完全封鎖する措置を取った。 (参考記事:「開城市で悪性ウイルス感染者」新型コロナ、北朝鮮で初) 新型コロナウイルス対策として国境を封鎖、警備を強化していた最中の事件を受け、警備がさらに強化されたが、密入国する人が後を絶たない。元脱北者の再入国を受け、一部地域が完全封鎖された北部の両江道(リャンガンド)では ...

北朝鮮で毎年8月28日は青年節だ。これは、金日成主席が1927年8月28日に朝鮮共産主義青年同盟を結成したことを記念して、制定されたものだ。 国営の朝鮮中央通信は、首都・平壌の4.25文化会館前の広場で先月28日、青年節祝賀屋外公演「青年よ 党につきしたがおう」が開催されたと報じた。(以下、記事本文より一部抜粋) 特色のある照明効果で恍惚(こうこつ)の境地をなした舞台にスポーツリズムと歌謡「青春と勇猛」と軽快なハーモニカ4重奏、青春歌謡メドレーも演じられた。 屋外公演が終わる ...

脱北し韓国で暮らしていた男性が、密かに北朝鮮に戻っていた事件から1ヶ月以上が過ぎた。北朝鮮政府は、男性が新型コロナウイルスに感染している疑いがあるとして、開城(ケソン)市を一時完全封鎖、全国的に防疫体制を強化するなど、過剰とも言える対応を行った。 しかし、その後も密再入国事件は後を絶たない。国境を流れる豆満江を渡り、咸鏡北道(ハムギョンブクト)の穏城(オンソン)から密入国し、清津(チョンジン)の自宅に戻っていた男性が摘発される事件が起きたが、国境警備隊の幹部が勤務怠慢の責任を ...

北朝鮮当局が先月25日の「先軍節」60周年に際し、軍高官らを対象に、金正恩党委員長の母・高容姫(コ・ヨンヒ)氏と、李雪主(リ・ソルチュ)夫人の活動を収めた記録映画を上映したと、韓国デイリーNKの内部情報筋が伝えている。先軍節は、金正恩氏の父・金正日総書記が行った先軍政治を記念する国家の祝日だ。 この映画が事実なら、北朝鮮で高氏と李氏の活動が1本にまとめられた映画が上映されたのは初めてと見られる。 気になるのは、この映画に込められた金正恩氏のねらいだ。金正恩時代の大きな特徴のひ ...

北朝鮮における女性に対する性暴力については、公式の統計が存在しないため、どれほど起きているのかは不明だ。 国際的人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)が2018年に発表した報告書「理由もなく夜に涙が出る 北朝鮮での性暴力の実情」に記されたものなど、実際の被害者や目撃者の証言が数多く存在し、それらを見れば事の一端を窺い知るに足る。 (参考記事:「私たちは性的なおもちゃ」暴露された金正恩時代の性暴力) そんな北朝鮮で、また一人の女性が性暴力の餌食になってしまった。 咸鏡北 ...