北朝鮮の朝鮮労働党中央委員会(中央党)の11局は、外国から取り寄せた核・ミサイル関連の機器や資材を研究、分析する超重要部署の一つだ。その部署の幹部と研究者が大量に緊急逮捕される事件が起きた。それも、よりによって朝鮮労働党第8回大会の期間中にだ。 北朝鮮は、国家的な記念日や重要な政治行事の前後に、事件、事故が発生することを忌み嫌うのだが、党大会の最中でも逮捕に踏み切ったのは、重大犯罪だったからだ。 スパイとつながっていたのか。核の資料を外国に売り払ったのか。いや、そうではない。 ...

2016年の70日戦闘と200日戦闘、それに続いて始まった1000日戦闘、そして最近まで行われた80日戦闘と、北朝鮮では戦闘が続いている。もちろん、戦争を行っているわけではない。 軍事優先国家の北朝鮮では、様々な軍事用語が使われ、カンパニア(キャンペーン)の名称として「○○戦闘」が使われる。5日から開催されている朝鮮労働党第8回大会で、「○○工場では計画を何百%超過達成した」などと言った形で示すための成果を無理やり作り出すために、人々をこき使うのである。 特に2020年は、以 ...

朝鮮労働党第8回大会が5日、平壌で開幕した。党規約に5年に1度の開催が定められた同大会は、党の最高指導機関に位置づけられる。 数日間にわたり行われる大会の初日、金正恩党委員長は「開会の辞」で、非常に印象深い言葉を発した。 同氏は、党が過去5年間に達成した成果は「決して少なくなかった」としながらも、「しかし、国家経済発展5カ年戦略の遂行機関が昨年までに終わったが、掲げた目標をほとんどすべての部門で大きく下回った」と述べたのである。 さらに、「我々の努力と前進を妨げ阻害する様々な ...

新型コロナウイルス対策として、国境警備を強化している北朝鮮。そのために、数千人単位の兵力を投入しているが、その人員の脱北事件が相次いている。 両江道(リャンガンド)のデイリーNK内部情報筋は、金正淑郡に駐屯している第7軍団の分隊長が、夜間勤務中に小銃を持ったまま逃走を図り、国境を越えて中国に逃げ込んだと伝えた。 この件について韓国の朝鮮日報は、12月23日夜に郡内の上台里(サンデリ)で、勤務中だった24歳のペクという兵士が、5.45ミリ小銃1挺と、銃弾60発を持ったまま、国境 ...

北朝鮮の首都・平壌は「選ばれし者」の都市だ。成分(身分)の良さ、忠誠心の高さや国への貢献度が認められた人しか住めない特別なところで、居住することそのものが特権と言えよう。 生活面でも優遇されている。国からの配給が途絶えて久しい地方とは異なり、最近まで配給が続けられてきた。しかし、経済難が深刻化した昨年初めから配給の遅配、欠配が増え、市民の間では不満と不安が高まった。治安の悪化も深刻なようだ。 (参考記事:美女2人は「ある物」を盗み公開処刑でズタズタにされた) 平壌のデイリーN ...

かつての北朝鮮は、2500万人の国民すべてが食糧を国からの配給に頼る、世界にもまれに見る配給依存型社会だった。国民個々人の米びつの鍵を国が握ることで、安定した抑圧社会を築くことに成功した。 しかしそんなシステムも、1990年代後半の大飢饉「苦難の行軍」を前後して崩壊。配給を受け取れるのは、平壌市民、軍需工場や炭鉱の労働者、政府高官、安全部(警察)、保衛部(秘密警察)など司法機関関係者など、一部に限られるようになった。 (参考記事:首都エリート層も配給停滞…金正恩「経済困窮」の ...

北朝鮮は決して認めようとしないが、様々な資料や脱北者の証言により、同国には厳格な身分制度のあることが知られている。先祖や本人の活動歴、地位、職業などにより「出身成分」「社会成分」「階層」という3種類の身分が存在し、それに応じて特権を享受する者もいれば、厳しい差別に晒される者もいる。 その頂点に位置するのは金正恩党委員長をはじめ、彼の祖父・金日成主席に連なる一族だ。そしてその次に身分の高いのは、金日成氏とともに抗日パルチザン活動を行っていた人々とその子孫である。その特権的な地位 ...

北朝鮮は、自国内で起きた犯罪に関する統計を一切公表していないため、多いのか少ないのかもすら確認できない。しかし、脱北者や国内に住む人から漏れ伝わる情報で、ある程度の状況をうかがい知ることはできる。 たとえば咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNK内部情報筋は2013年2月、会寧(フェリョン)市内で被告18人に対する公開裁判が行われたが、うち8人は詐欺行為を犯した者だったと伝えた。詐欺行為については、ほかにも様々な情報が伝えられており、北朝鮮国内でこうした犯罪が少なからず起き ...

北朝鮮は2020年1月から、新型コロナウイルス対策として国境を封鎖。自国民であっても一切の入国を禁じている。ところが、「密・再入国」が後を絶たない。 出稼ぎで中国に行っていた北朝鮮の女性が密かに帰国したことが発覚し、地域一帯に封鎖令が下される騒ぎになったと、現地のデイリーNK内部情報筋が伝えた。 脱北して中国に出稼ぎに行っていた30代女性が11月末、国境の川を越えて両江道(リャンガンド)の三池淵(サムジヨン)に忍び込み、自宅に戻った。 噂が立たぬように、しばらくは家でおとなし ...

今年9月、中国で拘束された脱北者5人が北朝鮮に送還される危機に直面しており、国連が送還措置の停止を中国政府に働きけていると、聯合ニュースが30日付で伝えた。 聯合が国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)の情報に基づいて報じたとこれでは、脱北者は49歳の女性と48歳の男性、14歳の少女、妊婦、身元不明の成人女性の計5人。韓国入りするため中国・瀋陽を出発した後に逮捕され、青島の警察署で拘束されているという。 (参考記事:中国奥地で売られた「少女A」の前に現れた救世主) 中国政府は ...

韓国のNGO、北朝鮮人権情報センター(NKDB)は9月に発表した「2020北朝鮮人権白書」で、北朝鮮のいくつかの分野では過去と比較して、人権状況に改善が見られると指摘した。 白書は「2000年代以降、北朝鮮の住民の生存権、教育権、健康権が改善されている」としながら、「これは経済・社会・文化的権利に関する規約(国際人権A規約)の分野でかなりの改善が進んでいることを示している」と評価している。 筆者も、金正恩氏に国民の人権状況を改善する意思があるのだと信じたい。しかし実際のところ ...

国連安全保障理事会は11日、北朝鮮の人権状況について非公開会合で討議。参加国に日本を加えた8カ国で声明を発表し、新型コロナウイルスと関連して北朝鮮で処刑が増加していることに憂慮を表明した。 この声明を受け、金正恩党委員長が怒り心頭に発したであろうことは想像に難くない。何しろ金正恩氏は10月10日の朝鮮労働党創建75周年を記念して行われた閲兵式(軍事パレード)での演説で、涙さえ見せながら、自国の防疫体制の完璧さを誇ったのだから。 しかし今のところ、北朝鮮はこの声明に何の反応も見 ...

米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じたところによると、今年7月、北朝鮮の首都・平壌で名門大学の女子大生200人が動員された大規模な組織売春が摘発された。 大浴場やプールを備えた総合レジャー施設「紋繍院(ムンスウォン)」の責任者が、有名映画俳優、平壌音楽舞踊大学、平壌演劇映画大学の教授らと結託し、在学中の女子学生に「1ヶ月に500ドル(約5万3000円)以上儲かる仕事がある」などと声をかけ、施設内のカラオケ店で売春をさせていたのだ。客は、中央や平壌市党(朝鮮労働党平 ...

北朝鮮は宗教、中でもキリスト教を忌み嫌い、信者のみならず、キリスト教関係者に接触したり、聖書を持っていたりしただけで処刑を含めた極刑を下している。聖書は、同国ではまさに「禁断の書」なのだ。 今年3月には咸鏡南道(ハムギョンナムド)の新浦(シンポ)で、聖書を持っていただけの女性が処刑される事件が起きた。 現地のデイリーNK内部情報筋が伝えたところによると、女性のシンさんは、両江道(リャンガンド)恵山(ヘサン)などを行き来して商売をしていた今年1月、聖書に接した。北朝鮮では一種の ...

北朝鮮では現在、来年1月開催の朝鮮労働党第8回大会に向けて、成果拡大キャンペーン「80日戦闘」が行われている。輝かしい成果で大会を飾ろうというものだが、人々の関心は別の方向を向いている。来年の運勢だ。 米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)は、年末を迎えた北朝鮮で、来年こそは良い暮らしがしたいという人々が、神々に祈ったり、占い師に頼ったりする現象を伝えている。 咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋は、コロナと台風で追い詰められた人々による「迷信行為」が増えていると伝えた。 ...

国連安全保障理事会は今月11日、北朝鮮の人権状況について非公開会合で討議。参加国に日本を加えた8カ国で、北朝鮮の自国民に対する人権侵害を非難する声明を発表した。 安保理では米国の主導により、2014年から毎年12月に北朝鮮の人権問題が話し合われてきたが、2018年には賛成国が足りず会合を開けなかった。昨年も会合は開かれず、今年も中国とロシアが反対。米国などは公開会合を断念し、ベルギー、ドミニカ、エストニア、フランス、ドイツ、英国が参加して非公開会合が行われた。 共同通信によれ ...