金正恩の「突撃隊」が機能マヒ…若者ら「生活の方が大事」
国際社会の制裁で苦境に立たされている北朝鮮だが、国を挙げてのメガプロジェクトは進められている。その代表格が三池淵(サムジヨン)郡の再開発と元山葛麻(ウォンサンカルマ)海岸観光地区だ。 その工事を支えているのは、朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の建設部隊と、各地の工場や企業所、国の機関から動員されたタダ働き部隊である「突撃隊」だ。ところが、動員に応じようとしない人が増えつつある。タダ働きであるうえ、続発する事故で命の危険まであるのだから当然だろう。 (参考記事:「手足が散乱」の修羅場で金 ...
逮捕者すでに数百人…金正恩氏を不安にさせる「新興勢力」の正体
中国発祥の新興宗教「法輪功」は一時は人気を集めたが、中国政府は1999年、邪教であるとし活動を禁止、厳しい弾圧を行っている。その後も、豊富な資金と組織で中国以外の全世界で布教活動を行っており、最近になって北朝鮮の首都・平壌でも急激に広がりつつある。 北朝鮮では実質的に、宗教活動は禁止されている。当局は最近になって公開処刑も再開しており、今後、どのような強硬手段に出るか心配だ。 (参考記事:美女2人は「ある物」を盗み銃殺された…北朝鮮が公開処刑を再開) 米政府系のラジオ・フリー ...
「安倍は軍国主義」金正恩氏、会談呼びかけにカウンター連打
北朝鮮の内閣などの機関紙・民主朝鮮は21日、日本の安倍政権が進める憲法改正の動きを非難する論評を掲載した。 論評は、「安倍政権が内外の強い抗議と糾弾にもかかわらず、憲法第9条を改正するためにそれほどやっきになっているのは憲法第9条が自分らの軍国主義復活、海外侵略野望の実現を妨げる障害物になっているからだ」と指摘。続けて「日本の軍国主義復活と再侵略は、時間の問題である」と主張した。 北朝鮮メディアは最近、この調子で対日非難を強めている。金正恩党委員長はメディア戦略で独自色を打ち ...
「14歳で売られ『出産』前に脱出した」北朝鮮女性、性虐待の生々しい証言
脱北して中国に逃げ込んだ多くの北朝鮮人女性が、強制売春や結婚などの人身売買の被害に遭っていることは、本欄でも繰り返し言及してきた。そしてこのほど、その実態を探った調査報告書が、新たに発表された。 米政府系のボイス・オブ・アメリカ(VOA)などによると、英国のNGO、コリア・フューチャー・イニシアティブは20日、中国国内の脱北女性に関する実態調査をまとめた報告書を英国下院に提出したという。 そこに収められた被害者の証言は、残酷の一語に尽きる。たとえばある女性は、次のように語って ...
「性暴力の末に非業の死も」北朝鮮女性の人身売買はこうして行われる
※この記事には、性暴力の被害に関する具体的な記述が含まれています。 米政府系のボイス・オブ・アメリカ(VOA)によると、英国のNGO、コリア・フューチャー・イニシアティブは20日、中国国内の脱北女性に関する実態調査をまとめた報告書を英国下院に提出した。 「性奴隷:中国国内の北朝鮮女性と少女の売春、サイバーセックス、強制結婚」と題されたこの報告書は、2年をかけて韓国に居住する人身売買の被害者45人と研究者、事情を知る中国人、人権団体関係者の証言をまとめたものだ。 報告書は、数 ...
米国の衛星が捉えた金正恩「深刻な事態」の証拠写真
米政府系のボイス・オブ・アメリカ(VOA)は18日、米海洋大気庁(NOAA)の分析に基づき、北朝鮮で干ばつが深刻化しているもようだと伝えた。 それによると、NOAAは4月後半から今月12日にかけて撮影された衛星写真を1週間単位で分析し、朝鮮半島とその周辺の「干ばつ指数(Drought index)マップ」を作成した。マップは干ばつの程度に応じて「中間」が黄色、「高い」が赤、「深刻」が濃い赤で示されている。 最新のマップ(5月6~12日)を見ると、朝鮮半島北部の多くの地域が赤く ...
【画像】北朝鮮で干ばつが深刻…米衛星マップの各時期の比較
米政府系のボイス・オブ・アメリカ(VOA)は18日、米海洋大気庁(NOAA)の分析に基づき、北朝鮮で干ばつが深刻化しているもようだと伝えた。 それによると、NOAAは4月後半から今月12日にかけて撮影された衛星写真を1週間単位で分析し、朝鮮半島とその周辺の「干ばつ指数(Drought index)マップ」を作成した。マップは干ばつの程度に応じて「中間」が黄色、「高い」が赤、「深刻」が濃い赤で示されている。【次ページに画像】 最新のマップ(5月6~12日)を見ると、朝鮮半島北部 ...
【画像】2012年から2019年までの「干ばつ指数マップ」の比較
米海洋大気庁(NOAA)が衛星写真を基に作成した、2012年から2019年までの朝鮮半島の「干ばつ指数(Drought index)マップ」(5月前半基準)。干ばつの程度に応じて「中間」が黄色、「高い」が赤、「深刻」が濃い赤で示されている。 2012年以降、今年が最も深刻な状態であることが分かる。
【画像】4月後半から5月12日にかけての「干ばつ指数マップ」の比較
下の画像は、米海洋大気庁(NOAA)が衛星写真を基に作成した朝鮮半島の「干ばつ指数(Drought index)マップ」の最近の変化を示したもの。干ばつの程度に応じて「中間」は黄色、「高い」が赤、「深刻」は濃い赤で示されている。 4月の最終週(左)から5月の第1週(中央)、5月の第2週と、時間の経過とともに干ばつが広がっていることがわかる。
北朝鮮製の薬物が韓流も汚染か…「VIPだけ使う」事情通が証言
韓国紙・朝鮮日報系のケーブルテレビ、TV朝鮮は17日、「ニュース9」などの報道番組で、ソウル・江南(カンナム)のクラブなどで密売されている違法薬物の中で「最高級」とされているのは、北朝鮮製の薬物であると報じた。 江南は最近、クラブ「バーニングサン」などを舞台に、多数の韓流タレントを巻き込んで、性的スキャンダルや薬物乱用の指摘に揺れている。この街を席巻しているのが、かつては日本国内にも密輸された北朝鮮製の薬物だというのだ。 (参考記事:一家全員、女子中学校までが…北朝鮮の薬物汚 ...
北朝鮮で「性売買ビジネス」が活況…金正恩氏「指導」もゆるみ
金正恩党委員長の号令の下、北朝鮮当局は昨年から「非社会主義現象」の取り締まりキャンペーンを大々的に繰り広げている。これは、当局が考えるところの「社会主義にそぐわない行為」を取り締まるものだが、長期に渡って続いたせいかゆるみが来ているようだ。 取り締まりの対象となっているはずの風俗業が、ここに来て活気づいていると、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じている。 両江道(リャンガンド)の情報筋は、最近になって恵山市内にカラオケ、飲み屋、ビリヤード場、宿泊施設などが増えて ...
「自由への逃走」に賭けて失敗した北朝鮮高官の悲惨な末路
北朝鮮の首都平壌郊外の教化所(刑務所)で、受刑者の元高官が脱走する事件が発生した。あえなく逮捕されたこの受刑者には、過酷な運命が待ち構えている。 平安南道のデイリーNK内部情報筋によると、事件が起きたのは3月1日のことだ。首都平壌から東に20キロほど離れた江東(カンドン)郡の垈里(テリ)労働者区にある江東4号教化所に収監されていた、平壌市対外経済委員会の元副局長の男性受刑者が脱走を図った。彼は、国家財産の横領罪で労働教化刑(懲役刑)15年を宣告され受刑していた。 情報筋は脱走 ...
「ミサイル発射祝賀パーティ」を開く北朝鮮に中国人も困惑
北朝鮮は今月4日、江原道(カンウォンド)の元山(ウォンサン)付近から、複数の短距離弾道ミサイルを発射した。また、9日にも平安北道(ピョンアンブクト)の亀城(クソン)付近から、弾道ミサイルとみられる2発の飛翔体を発射した。米朝間の交渉が膠着状態に陥った中でのミサイル発射に、国際社会には困惑が広がっている。 そんなミサイル発射を祝うパーティを、中国に駐在する北朝鮮の貿易駐在員が9日夜に開いたと米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。北朝鮮の置かれた立場をよくわかってい ...
北朝鮮で「女子高生の人身売買」が横行…制裁影響「いちばん儲かる」
北朝鮮で女性を対象とした人身売買が再び増えつつある。当局は人身売買に対して重罰で対処すると警告しているが、一向に根絶される気配がない。 中国との国境に面した両江道(リャンガンド)の情報筋は米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)に対し、最近、若い女性や女子高生、大学生が被害者となる人身売買が増えつつあると伝えている。 (参考記事:中国で「アダルトビデオチャット」を強いられる脱北女性たち) 人身売買ブローカーは女性らに「中国でしばらくカネを稼げるようにしてやる」と騙して接近。 ...
北朝鮮製カツラの裏に隠された「少女搾取」ともうひとつの秘密
中朝国境の街である遼寧省丹東市で、北朝鮮が「ツケマツゲ」や「カツラ」などで外貨稼ぎをしていると今月6日の朝日新聞が報じた。これらの手工品は制裁対象ではないため、単価が安くても北朝鮮が頼らざるをえず、輸出額も前年比の2倍に伸びているという。しかし、こうした手工品の製造過程で、深刻な人権侵害が行われている疑惑がある。 少女たちの「やわらかい皮膚」 北朝鮮の外貨稼ぎ会社が中国企業からの発注によってツケマツゲやカツラ、そして衣類や造花などを製造していることは、本欄でも昨年の時点で報じ ...
金正恩命令をほったらかし我先に逃げ出す北朝鮮の人々
北朝鮮の金正恩党委員長が旗振り役となって進めている「革命の聖地」、三池淵(サムジヨン)の開発プロジェクト。国際社会の制裁で北朝鮮経済が苦境に立たされている中でも工事が進められている。 工事は主に朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の建設部隊と、突撃隊と呼ばれる半強制の建設ボランティアの手で進められているが、現場のブラックぶりが広く知れ渡るようになり、現場に行きたがらない人や、逃げ出す人が続出している。 金正恩氏のメンツのかかった事業をサボタージュすれば、最高指導者の権威に挑戦したとみなされ ...