恐怖政治、再び(5) デイリーNKの内部情報筋や米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えるところによると、北朝鮮当局は、しばらく控えていた公開処刑を今年に入り再開したものと見られる。 これまでに処刑が伝えられているのは、薬物密売人や占い師など、いわゆる「非社会主義的行為」を行ったとみなされた人々だ。金正恩氏は、これらの行為に加え売買春、賭博、韓流コンテンツの流入・流布などを厳しく取り締まる姿勢を見せてきた。 (参考記事:コンドーム着用はゼロ…「売春」と「薬物」で破滅す ...

恐怖政治、再び(3) 北朝鮮当局が、ひところ手控えていた公開処刑を再開している。背景として気になるのは、国際社会からの制裁によって深刻化している経済難だ。 北朝鮮の社会主義経済システムが崩壊した1990年代の大飢饉「苦難の行軍」の時代、北朝鮮社会は経済難により秩序が悪化。当局はこれを恐怖で抑止すべく極刑で臨み、窃盗犯なども次々に銃殺した。 (参考記事:「死刑囚は体が半分なくなった」北朝鮮、公開処刑の生々しい実態) では、最近の北朝鮮はどうか。内部の情報筋からは、やはり治安の悪 ...

平安南道(ピョンアンナムド)のデイリーNK内部情報筋によると、今月15日の太陽節(金日成主席の生誕記念日)に合わせ、北朝鮮当局は先月末までに子どもたちに「お菓子セット」をプレゼントすることにしていた。ところが、道内の粛川(スクチョン)、文徳(ムンドク)、寧遠(ニョンウォン)など一部地域では、期日までにお菓子の生産ができなかった。 これは、金王朝の始祖である金日成氏、そして現在の最高指導者である金正恩党委員長の権威を傷つける重大な過誤だ。北朝鮮では、万死に値する重罪である。 ( ...

タバコを指に挟んで現地指導 2014年4月。2年前の同時期の写真と比べると顔の太り具合だけでなく、髪型にも変化が見られる。また眉毛も短くしている。 2014年7月。タバコを指に挟みながら朝鮮人民軍訓練を現地指導する金正恩氏。1年前の写真と比べるとその差は歴然としている。 ヘア・スタイルにも変化が… 2014年11月。この頃になるとこの体型で落ち着きつつある。 2015年2月。ヘアスタイルにまたもや変化があった。米CNNは「角刈り風のシビアなスタイルへと一新」したと報道した。 ...

体重増加は明らか 2013年12月14日。張成沢氏の処刑を報じた翌日の労働新聞に掲載された現地指導の様子。外叔父を処刑した直後にも関わらず、笑みを浮かべている。 2014年2月。児童施設を訪れ、子どもたちと戯れる金正恩氏。泣いている子どもを抱きかかえてあやしているようだ。 (関連記事:【写真】金正恩氏のヘア・スタイルの変化)

叔父の処刑直後に笑み 2013年10月、「美林乗馬クラブ」を視察した金正恩氏。いつもと違って前髪を垂らしている。 2013年12月8日。朝鮮労働党政治局拡大会議に出席した金正恩氏。この会議で張成沢氏の解任が決定されたせいか、表情がこわばっている。 (関連記事:【写真】体重増加の金正恩氏)

徐々に太り始める金正恩氏 2012年9月、李雪主夫人と平壌大同江タイル工場を現地視察。体型、とりわけあご周りや首回り、そして髪型もスッキリしている。 2013年7月。同年27日に開かれた「祖国解放戦争(朝鮮戦争)勝利60周年記念閲兵式」に出席した金正恩氏。前年に比べると、少し太り始めたようだ。 (関連記事:【写真】叔父の処刑直後、笑う金正恩氏)

2011年10月、金正日氏が死去する2カ月前、親子で訪問した「大同江スッポン養殖工場」での一枚だ。同工場は、今年5月に金正恩氏が視察した際に激怒した工場として知られている。 2012年の太陽節(金日成氏の生誕記念日)を前にして公開された写真。髪型やストライプのネクタイなど、明らかに故金日成氏のスタイルを踏襲しているのがわかる。 (参考記事:【写真】徐々に太り始める金正恩氏)

北朝鮮の朝鮮労働党は10日、党中央委員会第7期第4回総会を開催し、国際社会の経済制裁に自力更生で対抗する方針を打ち出した。朝鮮中央通信が伝えた。 総会では、金正恩党委員長が報告を行い「最近行われた朝米首脳会談の基本趣旨と党の立場について明らかにし、わが国の条件と実情に合い、われわれの力と技術、資源に依拠した自立的民族経済に基づいて自力更生の旗印高く社会主義建設をいっそう力強く前進させていくことで、制裁によってわれわれを屈服させられるとして血眼になって誤った判断をする敵対勢力に ...

先月27日、北朝鮮の平壌で「朝鮮人民軍第5回中隊長、中隊政治指導員大会」が開催された。金正恩党委員長も大会に参加し、「現在の革命情勢は、これまでのいずれの時期よりも人民の軍隊の軍事力強化を求めている」などと述べるなど、朝鮮人民軍(北朝鮮軍)に対する期待を示した。 しかし、今の北朝鮮軍はこうした期待に応えられるような「立派な軍隊」ではない。軍紀はすでに乱れきっており、上官が一種のワイロとして女性兵士に「性上納」を強要することも横行している。 (参考記事:北朝鮮女性を苦しめる「マ ...

北朝鮮と韓国の南北共同連絡事務所に1日、北朝鮮側の所長代理を務めるキム・グァンソン祖国平和統一委員会部長が復帰した。北朝鮮は先月22日、連絡事務所から一方的に撤収して韓国を慌てさせた。その後、北朝鮮は徐々に人員を復帰させ、業務を正常に行うまでになっているもようだ。 しかし、これで韓国が安心できるわけではない。韓国軍は1日、朝鮮戦争の激戦地だった南北非武装地帯(DMZ)の「矢じり高地」(江原道・鉄原)で、戦死者の遺骨の発掘に着手した。本来、この発掘事業は、北朝鮮と韓国が共同で行 ...

北朝鮮メディアがまたもや、日本の軍備増強に批判の矛先を向けている。しかしこの間、いろいろと難癖を付けすぎて「ネタ枯れ」したのか、今回はかなり強引な論法になっている。 同国の内閣などの機関紙・民主朝鮮は26日、日本が中国の脅威を口実に軍事大国化に向かっていると非難する論評を掲載した。その中で、次のようなことを言っている。 「事実上、日本の軍事力は世界的に先進国の隊列に堂々と入ったと言っても過言ではない」 一見、日本の「強さ」を認めているかのような表現だが、これは一種の「ホメ殺し ...

英国団体が実態報告書(上) 米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)は、英国の対北朝鮮人権団体「コリア未来戦略」が新たな「性奴隷」報告書を発表したと伝えた。今月8日の国際女性デーに合わせて出されたこの報告書には、中国で過酷な状況に置かれた脱北女性の実態が生々しく記されている。 中国で売春は違法だが、多くの北朝鮮女性たちが売春に従事させられていることは今回の報告書だけでなく、数多くの調査や取材によって明らかになっている。彼女たちの多くは、人身売買ブローカーによって売られた人々 ...

厳しい情報統制が敷かれている北朝鮮においても、ハノイでの米朝首脳会談が「惨めな失敗に終わった」との情報は、すでにかなりの範囲で国民に共有されている。北朝鮮当局としては、それを放置しておくわけにはいかない。 同国においては、最高指導者の名誉や権威をき損する行為は重罪とされているからだ。 (参考記事: 金正恩命令をほったらかし「愛の行為」にふけった北朝鮮カップルの運命) 北朝鮮当局は今回、国民の「毒舌」をけん制して金正恩党委員長の権威を守るために、「生活総和」を武器にしているよう ...

米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、北朝鮮の「国家科学院」が、覚せい剤など違法薬物の原材料や製造機器を、密造業者に販売しているとの疑惑が持ち上がっているという。 国家科学院は、平壌市の恩情(ウンジョン)区域に位置する北朝鮮内閣所属のれっきとした中央行政機関だ。昨年1月には金正恩党委員長も現地指導した、格式の高い機関である。そのような重要機関が製造に関与している可能性はあるのだろうか。 北朝鮮はかつて、麻薬や覚せい剤を国家機関の主導で製造し、日本などに密輸してい ...

北朝鮮の平壌で6、7の両日、朝鮮労働党の第2回党初級宣伝活動家大会が行われた。初級宣伝活動家とは、行政機関や工場など末端の職場単位で置かれた党組織で、思想教育やプロパガンダを担当する人々だ。 金正恩党委員長はこの大会に「斬新な宣伝・鼓舞によって革命の前進原動力を倍加していこう」というタイトルの書簡を送っているのだが、その中に、実に衝撃的な内容が含まれている。何と、父である故金正日総書記を、婉曲な表現ながらも否定しているのだ。 強烈な皮肉 金正恩氏は、父の「異常な女性遍歴」を忌 ...